埼玉県富士見市近隣で住まいの新築・リフォームをお考えなら、自社の一級建築士と大工が設計施工する大安建設にお任せください。
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弊社で過去に開催した「家づくり勉強会」の内容についてまとめましたので、皆さまの家づくりの参考にしていただければと存じます。尚、掲載しますのは全てのテーマではなく、特に反響などがあったテーマを勉強会終了後に随時まとめて参ります。
「木造住宅の基本」とは何か?
それは、「木」で造られていることです。
「何を当たり前のことを言っているのか」
とお思いの方もいらっしゃるとは思いますが、何が言いたいかと言うと、「木」と言うのは、1本1本が産地や樹種、生育環境、伐採後の木材乾燥方法、加工方法が異なりますので、出来上がった材木の品質が千差万別なんです。そこに集成材も加わりますので、現場で使用されている材木は工務店ごとに異なると言って良いほど種類が豊富です。品質の差が即価格の差とは限りませんが、最も重要な構造を担う材木の品質にはこだわりたいものです。
ですから、木造住宅と言っても、使わている「木」が違うということです。最近では性能面が注目され、数値ばかりを追い求める傾向がありますが、「木」は木造住宅において、もっとも重要な要素ですので、その品質があってこそ、工法やら、性能やら、と言う話になると私は考えています。
そして、大事なのは「乾燥」です。木材は乾燥によって品質が大きく変わります。あまり、大々的に乾燥のことをお話しになる方は少ないですが、木を扱う上で乾燥は切っても切り離せない重要なポイントだと私たちは考えています。
木にこだわり、乾燥にこだわっていれば、まずは木造住宅として一定以上の品質は確保できたものと言えます。
その上で、木の特性を理解し、適材適所で木を選定し、適切な加工を施し、現場を納めていくことの積み重ねが一軒の木造住宅を造っていきます。目立つ工法・性能は確かに魅力的ですが、木造住宅であればまずは「木」を見てみることから始めるのが良いと思います。
「計画的なリフォーム」とは何か?
それは、無駄を省くことです。
リフォームには順番に施工した方が効率が良いこと、一緒に施工した方が良いこと、があります。もちろん、大規模改修工事のように家全体を大規模に工事するのが最も効率的ではありますが、その他の中~大規模の工事にしても、効率の良い計画と言うのはあります。
例えば、屋根を葺き替えようと計画した場合、足場を設置して既存の屋根のを撤去し、新しい屋根を葺きます。そして、2~3年後に雨樋を直そうとした場合に、また、足場が必要となります。さらに数年後、外壁を塗装しようとした場合にはまた足場必要となります。それぞれの工事はともかくとして、足場工事を3回行っていますが、これを一度の工事で実施すれば、足場工事も1回で済みます。この方が効率が良いと思います。
他にも、浴室のリフォームを計画した場合、洗面脱衣室も壁や床など一部をリフォームする必要があります。これを一部だけ改装したとして、次回、洗面脱衣室をリフォームしようとすると、浴室リフォームで改装した箇所も改めてリフォームすることになることが多いです。ここもまた重複した工事となり、効率面で考えると避けたいところです。浴室と脱衣室は一緒に工事した方が効率が良いと思います。
他にも、様々な組み合わせで効率よくリフォーム計画を立てることが出来ますが、全ての住宅が当てはまるとは限りませんので、現場の状況を見て、お客様のご要望を伺ってご提案することになりますので、良く現場を見てくれて、良く話しを聞いてくれる相談相手を見つけるのが良いと思います。
「光熱費削減対策」とは何か?
それは、使わないことです。「それって我慢するってこと?」という風になってしまいますが、我慢せずに住宅で工夫しましょうということです。建設会社やハウスメーカーなどが声高に「省エネ、省エネ、省エネ住宅」と言うのは、何も自分たちが作る家を自慢しているのではなく、皆さまが無理なく省エネルギーすること、つまり、光熱費削減に取り組める住宅を造りませんかと言っているということです。
しかし、最も手っ取り早い光熱費対策と言うと、家電製品を省エネタイプに買い替えることです。エアコン、冷蔵庫、洗濯機、テレビ、照明器具、ガス給湯器、エコキュート、トイレ、などを最新の機器に変えるだけで10年~20年前の製品を使い続けているよりも年間で数千円から一万円以上、光熱費削減につながることも難しくありません。
次に考えることは、日射を遮ることです。太陽光が室内に入れば入るほど室温が上がります。カーテンやブラインドなどで日射の侵入を遮ることに加え、出来れば、外部で遮蔽する、例えば、最近よく見かけるグリーンカーテン(ゴーヤやヘチマなど)や葦簀、樹木による日陰も効果的です。
更には、日中に温められた地面から熱が放射されて寝苦しいほどの暑さになることもあると思いますが、打ち水やプランターや鉢植えの植物を家の周りに配置するなどして、少しでも緩和するのもいいと思います。出来れば、コンクリートやタイル、石、など熱を貯めやすい素材で地面を覆いすぎないようにするのも効果的です。
あとは、エネルギーの使い方です。お風呂などはお湯はりしてから何度も追い炊きをすれば、その都度エネルギーを消費しますので、なるべく、時間をまとめて入浴することや、エコキュートの場合は次の日の残り湯を温めなおすのではなく、残り湯は洗濯や散水などに利用して新しいお湯に入れ替えたほうが光熱費が抑えられます。深夜電力をご契約されている方は、深夜料金を活用するのも光熱費削減につながります。
そして、更に上の光熱費削減を目指すのであれば、住宅の性能を上げましょう!!
ポイントは、「断熱性」と「気密性」です。
分かりやすく洋服で例えるならば、ダウンコートのようなフワフワのジャケットが断熱性、ウィンドブレーカーのような風を通さない上着が気密性です。二つの性能が両立されるとより効果が上がります。具体的には、床や壁・天井に断熱材を設置することで断熱性が上がります。玄関ドアや窓を入れ替えたり、内窓を設置したりすることで気密性が上がります。こうして壁や屋根からの熱の流出入を抑え、かつ、窓などの開口部からの隙間風を抑え、効率的に冷房を効かすことが出来るようになります。ちなみに、言葉だけではいまいち納得できない方には、サッシメーカーのショールームなどで、昔の窓と現代の窓を設置した部屋で室温の違いを体感することが出来ますので、一度体感してみるのをお勧めします。
最新の新築住宅では、こうした性能が高い住宅も多いので、住宅の性能は数値だけではなく、体感してみるのがおすすめです。
「家の完成後のこと」とは何か?
それは、お手入れ・メンテナンス等の計画(メンテナンスサイクル)やそれらにかかる費用(ランニングコスト)のことです。人生のビッグイベントと言えるご自宅が完成が達成されて、ホッとする気持ちは私も理解できますが、ここからが家とご家族の本当の始まりです。家を計画している段階でもメンテナンスの話題が出てきたと思いますので、ぼんやりとでも耳にしていると思いますが、完成後にはそれが現実のものとなりますので、その時に慌てることのないように予め心の準備と具体的な準備をしておくのがおすすめです。
では、どんな心構えをしておけばよいのか?と言いますと、メンテナンスの時期の把握です。
一例をご紹介しますと、
一つの目安として参考にしていただければと思いますが、これよりも前に不具合などが生じて、メンテナンスや交換、リフォームが必要なことも実際には良くありますし、もっと後にメンテナンスされる事例もございます。
完成してから10年前後経過したころから外装や水まわり、電気関係で不具合が見られることが多いですので、おおよそ10年サイクルでお手入れが必要になっていく、と想定しておくと良いと思います。尚、ご自分で全て把握して実施していければよいですが、難しいようであれば、ご自宅の事を理解してくれているかかりつけの工務店を見つけておくと、適切な時期に適切なメンテナンスを実施しやすくなりますので、家の長持ちにもつながると思います。
「お掃除のしやすさ」とは何か?
それは、凸凹が少ないことです。床でも、壁でも、天井でも、凸凹が増えるほど、お掃除は手間がかかりますので、掃除の事だけを考えれば、フラットな造りが理想です。また、近年はロボット掃除機が普及しましたので、新たに、ロボット掃除機が通れる高さや幅の確保と段差解消が挙げられます。それらを合わせると、なるべく平らで仕切りが少ない間取りにして、空間内に物や置き家具などが溢れないよう造作した収納の中にしまえること、つまりは、「スッキリとした家」ということです。ちなみに、以前は掃除機用のコンセントの位置も重要でしたが、ロボット掃除機やコードレス掃除機が普及してきたので、重要度は下がりました。
次に、各種素材の観点から言えば、自然素材系は工業製品に比べると掃除に多少の手間がかかります。それを上回る魅力が自然素材にはありますが、無垢床材、塗り壁などの自然素材のお掃除は洗剤を使って汚れをゴシゴシとは出来ませんので、掃除面だけで考えれば、床でしたら複合フローリングやクッションフロア、壁でしたらビニールクロスの方が掃除はしやすいです。また、キッチン周りや浴室でも、タイルよりも、ツルっとしたパネル系の仕上げ材の方が汚れを落としやすいです。
そして、外部に目を向けますと、落葉樹や実をつける樹木は季節感を感じさせてくれるのですが、落ちた葉や実の掃除の手間が増えます。場合によっては近隣への影響もあるので、新たに植える樹種や位置などは検討しておくと良いと思います。
こうしてまとめてみると、昔の家では当たり前のようにあったことですので、普段の暮らしにそこまで大きな影響を与えるようなことではございません。しかし、共働きが一般化するなど、暮らしの変化によって家事負担の軽減が求められる昨今では、お掃除のしやすさも大切なポイントであると思いますので、新築やリフォームの際に検討しておくのもおすすめです。
「メンテナンスのしやすさ」とは何か?
それは、本来はお住まいになるお客様がどうこう考えることではなく、施工する業者が将来のメンテナンスを見越して準備するものでしたが、最近では、かかりつけの工務店のように建てた住宅のその後も見守っていくようなことがあまり見られなくなっておりますので、予め考えておくべきことの一つとなりました。
メンテナンスとは、お手入れとも言いますが、築年数の経過とともに住宅の各所に起こる経年劣化などを修繕することです。修繕する場合、目に見えるところ、手が届くところについては問題は起こりづらいですが、大事なのは、その逆の目が届きづらく、手が届きづらい場所、床下や天井裏、壁の中、屋根や外壁などの高所、などです。メンテナンスのポイントとしては、電気配線や水道などのライフライン、雨漏り、構造躯体、外部の塗装などの不具合への対応のしやすさです。
「リフォームでの失敗」とは何か?
それは、「こうすれば良かった」と工事後に後悔することだと思います。後悔しないために重要なのは情報収集と相談相手探しです。金額だけでしたらインターネットやチラシを見て数字を比較するだけで済みますが、「色々と相談したい。リフォームして安心な暮らしを実現したい。」場合には、相談相手は誰でも良いということはないと思います。ご自宅のことはもちろん、工務店やリフォーム会社などの事を知ることは大切です。では失敗しないためにどんなことを考えれば良いか、作り手の視点でいくつかピックアップしてご紹介します。